「今日は仕事で渋谷に寄る用事があったので、東京法務局渋谷出張所に行ってみた」
「なぜそんな場所に」
「ちょっと土地の詳細を見たくなってね」
「それで?」
「東京法務局渋谷出張所なんて場所を知らない」
「まあ当然だね」
「住所を頼りに地図を見ながら歩いた」
「うん」
「途中でハンズとかいくつも知っている場所を通過したので、『ははは、知ってる場所ばかり』と思った」
「そうか。渋谷もけっこう歩いているからね」
「しかし、まだ甘かった」
「なぜ?」
「よし、間もなく到着だ!と思ったときに目に入ったのは何だと思う?」
「なんだい?」
「昔見たことがある二・二六事件慰霊像」
「えー」
「なんと昔見た、二・二六事件慰霊像の隣が東京法務局渋谷出張所だった」
「なんだよそれ。知らない場所じゃないじゃん」
「めちゃめちゃ知ってる場所だった」
オチ §
「それで、調査は成功?」
「いや、なんだか良く分からないグダグダな結果だった」
「えー」
「仕事の用事が詰まっていて時間も無かったし、何も追求できないまま終わってしまった」
「ひぇ~」